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収益物件売却コラム

収益物件を財産分与するなら売却がおすすめ!売却から財産分与までの流れを解説

公開:2024.10.24 更新:2024.10.24
収益物件を財産分与するなら売却がおすすめ!売却から財産分与までの流れを解説
引用元:フォトAC

離婚時に収益物件を財産分与する際、物件を売却してその代金を分割する方法は、手続きが明確で公平な分与が実現しやすいためおすすめです。売却することで物件管理の手間を省き、現金化された資産を迅速に分けることができます。また、物件の価値が時期によって変動する不動産市場において、適切なタイミングで売却すれば、より高い利益を得ることも可能です。

収益物件は離婚時の財産分与の対象になる?

離婚の際に財産をどのように分けるかは、双方にとって非常に重要な問題です。特に、収益物件、つまり家賃収入を生む不動産が財産分与の対象になるかどうかは、物件の取得状況や名義によって異なるため、慎重な判断が必要です。以下では、収益物件が財産分与の対象になるケースとならないケースについて説明します。

◇財産分与とは

財産分与とは、離婚時に夫婦が婚姻生活を通じて共同で築いた財産を公平に分配するための手続きです。法律上、婚姻中に取得した財産は夫婦共同の財産として扱われ、基本的に分与の対象となります。一方、婚姻前から所有していた財産や、個人的に受け継いだ相続財産、贈与財産は通常「特有財産」として分与の対象から除外されます。

◇収益物件が財産分与の対象になるケース

収益物件が財産分与の対象となる代表的なケースは、婚姻中に夫婦のいずれかが共同で取得した場合です。仮に物件の名義が一方のみに登録されていたとしても、夫婦が共同でローンを返済している場合や、物件の購入や維持管理に双方が経済的に貢献していた場合、その物件は「共有財産」と見なされることが多いです。

さらに、夫婦がその物件から得た家賃収入を生活費として利用していた場合も、物件だけでなく、その収益自体が財産分与の対象となる可能性があります。

◇収益物件が財産分与の対象にならないケース

収益物件が財産分与の対象とならないケースは、主にその物件が「特有財産」として扱われる場合です。特有財産とは、相続や贈与で取得した財産や、婚姻前に個人が所有していた財産を指します。例えば、親から相続した土地や、結婚前に購入したマンションなどがこれに該当します。

つまり、離婚の際、収益物件が相続や贈与によって得たものであれば、財産分与の対象にはなりません。しかし、婚姻後にその物件のリフォーム費用を配偶者が負担したり、維持管理に協力した場合は、配偶者の寄与分として分与対象になることもあります。

収益物件の財産分与の仕方

うつむく夫婦

画像出典:フォトAC

収益物件は離婚時の財産分与において複雑な要素を含みます。特に、その後の管理や収益の取り扱いをどのようにするかは重要なポイントです。ここでは、収益物件を財産分与する際の3つの方法の特徴を解説します。

◇どちらかの単独名義にする

収益物件を夫婦のどちらか一方が単独で所有する方法です。この場合、物件を取得する側がもう一方に対して代償金を支払います。代償金は物件の評価額に基づいて決まり、取得する側が物件のすべての収益を得る一方で、今後の維持費やローン返済も一人で負担することになります。

取得した側が物件の管理と収益をすべて引き継ぐため、他方との関わりがなくなる一方で、経済的な負担が増す可能性があることがデメリットです。

◇共有名義のままで賃料を分配する

離婚後も収益物件を共有名義のままにし、賃料を分配する方法です。この場合、物件の所有権を両者で維持し、賃料収入を定期的に分け合うことができます。しかし、賃貸収益の分配に加え、物件の管理や修繕費などについても双方の協力が必要です。

この方法では、長期的にお互いが連絡を取り続けなければならず、特に意思疎通がうまくいかない場合には、物件の管理や収益分配にトラブルが生じる可能性があります。

◇売却して代金を分割する

収益物件を売却し、売却代金を分割する方法です。この方法では、物件自体を所有し続ける必要がないため、離婚後の物件管理に伴う負担がありません。また、売却することで資金が手元に入るため、迅速に資産を分けることが可能です。

さらに、売却代金を現金で分割するため、分配内容が明確になり、双方にとって公正な分与が実現しやすいこともメリットです。売却によって得た資金は流動性が高く、次の生活資金や新たな投資に活用しやすくなります。

収益物件を売却して財産分与をするまでの流れ

離婚時に収益物件を売却して財産分与を行うプロセスは、計画的に進めることが重要です。以下に、財産分与の一般的な流れを解説します。

◇収益物件の名義を確認する

最初のステップとして、収益物件の名義を確認します。物件が単独名義なのか共有名義なのかを把握することは重要です。単独名義であれば、名義人が物件の売却権を持ちますが、共有名義の場合は双方の同意が必要です。

この確認作業は、必要な書類(登記簿謄本や権利証など)を取り寄せて行います。また、名義に関する法的な問題がないかを確認することも大切です。

◇財産分与の仕方を決め書類にする

次は、収益物件の財産分与の方法を決定するプロセスです。具体的には、物件を売却した際の売却金の分配方法や、どのタイミングで売却を行うかについて話し合います。

この合意内容を財産分与契約書や離婚協議書として文書化し、双方が署名することで、後のトラブルを回避するための証拠となります。この際、弁護士に相談し、法的に有効な書類を作成することもおすすめです。

◇不動産会社を選び販売活動を開始する

財産分与の方法が決まったら、不動産会社に依頼して物件の販売活動を開始します。この際、信頼できる不動産業者を見つけるためには、口コミや評判を調査し、複数社に査定を依頼することが重要です。

査定によって物件の価値を評価してもらったら、広告活動を通じて買い手を探します。この段階では、内見の対応や、必要に応じて物件の修繕・清掃なども行います。

◇不動産を売却して売却金額を分け合う

物件が売却され、売却金額が決定したら、事前に合意した分配方法と分配割合に基づいて金額を分け合います。この際、売却金を振り込む手続きや、必要な税金(譲渡所得税など)の支払いも考慮する必要があります。すべての手続きが完了したら、最終的な書類を保管し、今後のトラブルを防ぐために記録を残しておくことが重要です。

収益物件を売却するならタイミングを見極めることが重要

収益物件を売却する際には、そのタイミングが収益に大きく影響を与えるため、慎重に見極めることが重要です。市場の動向や物件の状態などを考慮し、最適な売却時期を選ぶことで、スムーズな売却が可能です。

◇離婚後に売却する

収益物件を売却する際は、離婚後に行うことが推奨されます。離婚前に売却すると、持分の移転が法律上贈与とみなされ、贈与税が発生する可能性があるためです。贈与税は物件の評価額にもとづいて計算され、離婚前に名義変更や売却を行うと、予期しない税負担が生じることがあります。

物件が共有名義である場合、共有持分に応じて得られる利益を分配すれば特別な税金はかからないため、スムーズな資産分配が可能です。したがって、離婚後に売却を行うことで、これらの税金の問題を回避し、公正な資産分配が実現しやすくなります。

◇売却するタイミングを見極める

物件の売却タイミングは非常に重要です。法律上、離婚後の財産分与には2年間の期限がありますが、不動産市場の価格は常に変動しています。市場価格が下がっている場合や経済状況が不安定な場合は、売却を急ぐことで損失につながる可能性があるため注意が必要です。

また、所有期間によって譲渡所得税の税率も異なるため、その点も確認しておきましょう。


収益物件が離婚時の財産分与の対象となるかは、その取得状況や名義に依存します。婚姻中に共同で取得した物件は、夫婦が共同でローンを返済していた場合や維持管理に貢献していた場合、「共有財産」として財産分与の対象となります。

一方、婚姻前に取得した物件や、相続や贈与によって得た物件は「特有財産」として分与の対象外となることが多いです。ただし、婚姻後に配偶者がリフォーム費用を負担した場合は、寄与分として分与の対象になる可能性もあります。

収益物件を財産分与する方法には、単独名義にして代償金を支払う方法、共有名義のままで賃料を分配する方法、売却して代金を分割する方法があり、それぞれメリットとデメリットがあります。物件を売却する際は、タイミングや税金の問題も考慮し、計画的に進めることが重要です。