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収益物件売却コラム

収益物件を売却した際に確定申告は必要?

公開:2024.08.15 更新:2024.08.15
収益物件を売却した際に確定申告は必要?
引用元:フォトAC

収益物件を売却して利益が出た場合は、確定申告が必要です。譲渡所得として住民税と所得税が課されますが、利益がなければ申告は不要です。

申告には7つの書類が必要で、特例の適用も可能です。申告期間は2月16日~3月15日で、期限を過ぎると延滞税や加算税が発生します。

無申告の場合、加算税や税務署からの通知があります。複雑な不動産売却の申告は税理士に依頼することが推奨され、専門家を紹介するサービスも活用できます。

収益物件を売却した際に確定申告は必要?

確定申告とは、1年間の所得と所得税を計算し、源泉徴収された税金または予定納税額がある場合、過不足を精算する手続きです。

フリーランスなど事業主が行うイメージを持っている方も多いかもしれません。実は確定申告は不動産売却でも必要なケースがあり、これは収益物件の場合も同様です。確定申告の申告を忘れてしまうと加算税や何かしらのペナルティを課される可能性があります。

そのため、これから収益物件を売却する方は、確定申告が必要なケースと不要なケースを覚えておきましょう。

◇利益を得た場合は確定申告が必須

収益物件を売却した際に確定申告が必要となるのは、利益が発生した場合のみです。例えば、収益物件で家賃収入を得ている場合、売却結果に関係なく確定申告を行わなければなりません。さらに、売却益を得ている場合は同時に確定申告しなければならないため、注意が必要です。

マンションなどの建物や土地などの売却による利益は「譲渡所得」として扱われ、給与所得・事業所得とは分離して税額を求める必要があります。このとき、課税されるのは住民税と所得税です。

◇利益が出なかった場合は不要

収益物件を売却した際、利益が出ない場合もありますが、利益がない場合は確定申告が不要です。通常の居住用物件の場合、損失額を給与所得などの所得からの控除が可能な特例もありますが、収益物件のような事業用不動産は利用できないため注意が必要です。

収益物件を売却した際の確定申告の流れ

確定申告書類

画像出典:フォトAC

確定申告を行う方法には、自分で行う方法と税理士などの専門家に依頼する場合があります。自分で行う場合は、書類の準備から提出まですべて自分で行わなければなりません。確定申告の準備から提出までの一連の流れを知っておくと、スムーズに手続きできます。

◇1.必要書類を準備する

まず確定申告に必要な書類を準備しなければなりません。確定申告で必要な書類は7つあります。

・確定申告書(第一・第二・第三表)
・本人確認書類
・譲渡所得の内訳書
・不動産購入時の売買契約書(コピー)
・不動産売却時の売買契約書(コピー)
・仲介手数料の領収書など経費を証明できる書類
・登記事項証明書

上記7つの書類のうち、確定申告と譲渡所得の内訳書は税務署窓口や国税庁ホームページで取得が可能です。登記事項証明書・本人確認書類は法務局・役所で発行してもらわなければならないため、早めに準備しておきましょう。

不動産売却では特例が利用できるケースがあります。例えば、親から相続した不動産を売却した場合を対象とした、不動産売却価格から3,000万円控除できる特例など、特定の条件を満たしている場合は利用できるため、調べておくと安心です。

◇2.特例を調べる

譲渡所得税の納税額の計算は「不動産売却価格-(不動産取得費+譲渡費用)-特別控除=課税される譲渡所得」と「譲渡所得×税率」で求められます。

また、譲渡所得の税率には短期譲渡所得と長期譲渡所得の2種類があり、所有年数によって税率が異なるため注意が必要です。短期譲渡所得の場合は、売却した年の1月1日時点で所有した期間が5年以下であれば30%、長期譲渡所得の場合は売却した年の1月1日時点で5年超過していれば20%が適用されます。

確定申告書や譲渡所得の内訳書は自分で記入しなければなりません。記入する項目には、源泉徴収票や売買契約書、その他各種領収書などに記載されている金額を記入していきます。記入額を誤ってしまうと納税額が変わってしまうため、注意が必要です。

確定申告は申告期間が決まっており、毎年2月16日〜3月15日の1ヶ月間で提出しなければなりません。期間内に提出できなかった場合は、延滞税の対象となるためなるべく早く提出すると安心です。提出は、申告会場・税務署への郵送・e-Taxでのインターネット送信のいずれかで提出できます。

確定申告をしないとどうなる?

確定申告は該当者であれば提出が義務付けられていますがうっかり忘れていたり、そもそも提出が必要なことを知らなかったりといった理由で提出していない方も少なくありません。

確定申告を提出していなかった場合、最悪ペナルティを課される可能性もあるため注意しましょう。また、期限に遅れた場合と申告自体をしなかった場合とではペナルティが異なるため、注意が必要です。

◇税務署からの連絡が届く

収益物件を売却後、確定申告をしていなかった場合、売却前の所有者宛に通称「お尋ね」と呼ばれる納税義務に関する書類が届きます。

このお尋ねは、あくまで現状を確認するためのもので、届いたからといってペナルティが課されるわけではありません。売却損など確定申告が不要な場合は、その旨の説明をすれば申告は不要です。

◇無申告が発覚した場合はペナルティが課される

売却益が出ているにもかかわらず確定申告しなかった場合は、税務署から調査を受け、調査結果によっては無申告加算税が課されます。納付税額に対して50万円までは15%、50万円を超える場合は20%の金額の納付が必要です。

ただし、税務署による調査が入る前に申告した場合は5%まで減額されるため、お尋ねが来た際は、早急に対応しましょう。

また、無申告加算税以外にも重加算税や延滞税といったペナルティを課される場合もあるため、注意が必要です。

重加算税とは、納税義務のあるものを意図的に隠蔽・仮装した場合に適用されるペナルティで、過少申告の場合は本来納める税額の35%、無申告の場合は40%の税金が加算されます。

延滞税は、期限の翌日から完納するまでの日数によって税金が変動し、最高で14.6%の税率を課されるケースもあるため期限内に納税するのが重要です。

収益物件を売却した際の確定申告はプロに依頼しよう

自分で確定申告を作成するのもひとつですが、知識のない一般の方が行うと手間や時間がかかってしまいます。よくある事例としては記載内容に漏れやミスがあるケースです。不動産売却では、譲渡益が発生した場合、評価額と取得価額を計算しなければなりません。この計算は専門知識がなく慣れていない場合は、ミスしやすいポイントでもあります。

また、不動産売買は法律や税制度が複雑でより専門知識が求められる分野です。そのため、不動産売却などに精通している税理士や会計士などの専門家に依頼したほうが自分で申告するよりもスムーズに行えます。

中には税理士や会計士を紹介してくれるサービスを提供している機関もあるため「自分で探すのはちょっと…」という方は、サービスを活用するのもおすすめです。


収益物件を売却した際には、利益が発生した場合に確定申告が必要です。譲渡所得として扱われ、住民税と所得税が課されますが、利益がない場合は申告不要です。

確定申告の準備には、7つの書類(申告書、契約書、領収書など)が必要で、特例を利用できる場合もあります。申告期間は毎年2月16日~3月15日で、期限を過ぎると延滞税や加算税が発生します。

無申告が発覚した場合、加算税が課され、税務署からの調査や通知が来ることもあります。申告は専門知識が必要なため、税理士や会計士に依頼することが推奨されます。

特に不動産売却は法律や税制が複雑で、専門家に依頼することでミスや手間を省けます。専門家を紹介するサービスも活用でき、自分で対応するよりも効率的です。