収益物件の売り時とは?売却するタイミングと高額売却のコツを紹介
収益物件の売却で最大の利益を得るためには、売り時を見極めることが極めて重要です。物件の価値や市場動向を適切に把握し、タイミングを誤らないことで、投資成果を大きく向上します。
空室が増え、家賃収入が固定費を上回らなくなり、収支がマイナスとなる場合や、他に収益性の高い物件が見つかった場合などは、早期の売却が賢明です。また、不動産市場の活況や物件の老朽化が進んだ場合も、売却を検討すべき重要なタイミングとなります。
目次
収益物件の売り時はいつ?
収益物件の売却で利益を最大化するためには、売り時を見極めることが非常に重要です。適切なタイミングで売却することで、より良い投資成果を得ることが可能です。ここでは、収益物件の売却を検討すべき4つの状況について説明します。
◇空室で収支がマイナスになったとき
収益物件の魅力は安定した家賃収入にありますが、空室が増え、収支がマイナスになると物件の維持が負担になることがあります。家賃収入が固定費を上回らなくなった場合、投資の収益性が低下し続けるリスクが高まります。
このような状況では、早期に売却を検討することが賢明です。特に、長期間空室が埋まらない場合は、売却して資金を他の投資に回すことが良策となります。
◇他によい物件が見つかったとき
市場には、常に新たな投資チャンスが存在します。より高い収益性を持つ物件が見つかった場合、現在の物件を売却して新しい投資に移ることは、ポートフォリオの効率を高める手段のひとつです。
売却で得た資金をより収益性の高い物件に投資することで、キャッシュフローを改善し、リスク分散も図れます。
◇不動産価格が上昇したとき
不動産市場が活況を呈し、物件の価値が上昇したときは売却の好機です。特に、購入時の価格より大幅に価値が上がった場合、キャピタルゲインを得ることが可能です。
不動産市場のタイミングを見計らい、高値で売却することで大きな利益を得られます。ただし、市場の動向を慎重に観察し、売却のタイミングを逃さないことが重要です。
◇物件が古くなったとき
物件が古くなると、修繕費や維持費が増加し、収益が圧迫される可能性があります。また、老朽化により入居者が集まりにくくなることも考えられます。このような場合、物件の価値が下がる前に売却を検討するのが賢明です。
特に、大規模修繕が必要な場合や競争力が低下した場合は、売却を検討し、資金を他の物件に移すことが適切な判断でしょう。
収益物件の売り時を逃した失敗事例
収益物件の売却タイミングを逃すと、当初の計画とは大きく異なる結果を招くことがあります。適切なタイミングで売却しなかったために予期せぬ損失を被った事例を知ることは、今後の投資に役立ちます。以下では、売り時を逃したことで失敗した2つの事例を紹介します。
◇支出の多い物件を持ち続けて大赤字
築年数が古くなり、修繕費や管理費が増加した結果、赤字に陥った事例です。当初は家賃収入で支出を賄えていたものの、空室が増え、家賃の引き下げを余儀なくされました。さらに、古い設備の故障が頻発し、修繕費が増大しました。
赤字が続く中、売却を検討していたものの、「いつか収支が改善するだろう」と決断を先送りにしてしまい、結果として収益性がさらに悪化し、最終的には大幅な赤字を抱えることになりました。もっと早い段階で売却していれば、大赤字を回避できた可能性があります。
◇修繕積立金の増額により減益
修繕積立金の大幅な増額が決まった際に、売却のチャンスを逃した事例です。この物件では数年後に大規模修繕が予定されており、修繕積立金が毎月大幅に増額されることが決まっていました。
オーナーは、この増額が家賃収入にどれほど影響を与えるかを軽視し、「修繕が完了すれば物件の価値が上がるだろう」と楽観的に考え、物件を持ち続けてしまいました。しかし、修繕積立金の増額により収益が圧迫され、修繕後も家賃が期待ほど上がらなかったため、最終的には減益となりました。
修繕前に物件を売却していれば、この負担を避け、より良い収益を確保することができたはずです。
収益物件の売却に適したタイミング
適切なタイミングで売却を行うことで、利益を最大化し、将来の投資に備えられます。こちらでは、収益物件を売却するのに適したタイミングを説明します。
◇低金利のとき
低金利の環境は、収益物件の売却にとって好条件です。金利が低いと物件を購入する際のローン金利も低くなるため、買い手にとって魅力的な市場となります。また、購入希望者が増えやすく、物件の需要が高まることで、売却価格が上昇する傾向があります。
◇大規模な修繕をする前
物件を長期間所有していると老朽化が進み、大規模な修繕が必要になることがあります。修繕を行うとその費用が利益を圧迫する可能性があるため、修繕の前に物件を売却するのも有効です。この場合、修繕コストを回避しつつ、まだ価値がある状態で売却できるため、資金を他の投資に回せます。
◇所有期間が5年を超えたとき
譲渡所得税は、売却した不動産の所有期間に応じて、2つの区分があります。不動産の所有期間が5年以上の場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」として扱われます。
短期譲渡所得よりも長期譲渡所得の税率が低いため、5年以上所有してから売却することで、税負担を軽減できます。これにより実質的な手取り額が増加するため、5年を超えた所有期間は売却の好機です。
◇入居者がいるとき
入居者がいる状態で物件を売却する場合、オーナーチェンジ物件として売り出すことが可能です。オーナーチェンジ物件は、購入後すぐに家賃収入を得られるため、安定した収益を求める投資家にとって魅力的です。特に、入居者が満室であれば、より高い価格での売却が期待できます。
収益不動産を高額売却するコツ
収益不動産を売却する際、できるだけ高額で売却することが投資家にとって最も重要です。しかし、高額売却を実現するためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
こちらでは、収益不動産を高額で売却するための3つのコツを紹介します。
◇投資物件に特化した不動産会社に相談する
収益不動産を高額で売却するためには、投資物件に精通した不動産会社に相談することが重要です。投資物件に特化した不動産会社は、物件の収益性や特徴を投資家に効果的にアピールする方法を理解しており、適切なターゲット層に物件を紹介できます。
また、収益物件の市場動向にも詳しく、最適な売却タイミングを提案してくれるため、高額売却のチャンスが高まります。
◇利回りを考慮した適正価格で売り出す
高額売却を目指す場合でも、物件の利回りを考慮した適正価格で売り出すことが大切です。過剰に高い価格設定をすると、購入希望者が集まらず、結果的に売却までに時間がかかり、価格を下げざるを得なくなることがあります。
逆に、適正な利回りが見込める価格で売り出せば、投資家の関心を集め、スムーズな売却が期待できます。
◇売却が難しいときは買取を検討する
物件の売却が思うように進まない場合は、不動産買取を検討するのもひとつの手段です。買取のメリットとして、迅速な現金化が挙げられます。通常の売却では購入希望者との交渉や審査に時間がかかることがありますが、買取ならそのプロセスを省略でき、短期間で売却が完了します。
また、売却活動に時間や手間をかけたくない場合や、市場に出しても買い手がつきにくい物件でも、買取によって確実に売却し、即時の資金化が可能です。
不動産投資では、収益物件の売り時を見極めることで、より多くの利益を得られます。空室が増えて収支がマイナスになった場合や、他に収益性の高い物件が見つかった場合などは、適切なタイミングで売却することで投資成果を向上させることが可能です。
例えば、空室が続いて収益性が低下した場合、早期売却を検討することが賢明です。また、より収益性の高い物件に投資するための資金を得るためにも、適切な売却が必要となります。さらに、不動産市場が活況を呈し、物件価値が上昇している場合や、物件が老朽化して修繕費が増加し収益が圧迫される前にも、売却を検討することが推奨されます。
売却のタイミングを逃すと、大きな損失につながることも少なくありません。例えば、築年数が古くなり修繕費が増加する中、売却を先送りした結果、赤字を拡大させてしまう事例もあります。また、修繕積立金が増額されることで収益が減少し、最終的に減益となることもあります。このようなリスクを避けるためには、タイミングを見極め、適切な判断が求められます。
収益物件の売却に適したタイミングとしては、低金利の時期や大規模修繕を行う前、所有期間が5年を超えた場合などが挙げられます。収益物件を高額で売却するためには、投資物件に特化した不動産会社に相談することや、適正な利回りを考慮した価格設定を行うことが重要です。
また、売却が難しい場合は、不動産買取を検討することをおすすめします。