収益物件のオーナーチェンジ物件とは?売却を成功させるコツ
オーナーチェンジ物件とは、既に入居者がいる状態で売買され、新オーナーが賃貸契約を引き継ぐ不動産です。購入後すぐに家賃収入が得られる点が魅力ですが、賃貸契約内容や入居者の状況を事前に確認する必要があります。市場が投資家に限定され、住宅ローンの利用不可や内覧が難しい点が課題です。
売却を円滑に進めるためには、レントロールや修繕履歴の準備、誠実な対応が重要で、更新料の無料化や不動産会社の見直しも効果的です。
目次
オーナーチェンジ物件とは?
不動産投資において、「オーナーチェンジ物件」という言葉を耳にすることが増えています。オーナーチェンジ物件の売買は、投資家にとって魅力的な選択肢となることが多いです。
オーナーチェンジ物件とは、既に入居者が住んでいる状態のまま売買される不動産のことです。この物件を購入した新しいオーナーは、入居者との賃貸契約をそのまま引き継ぐことになります。つまり、購入後すぐに家賃収入を得られるという利点があります。
また、既に収益が見込まれているため、収益性のリスクをある程度回避できる点が投資家にとって魅力的です。しかし、これには賃貸契約の内容や入居者の状況など、事前に確認すべき点が多く含まれます。
例えば、入居者が長期間にわたって住み続ける可能性が高いのか、賃貸契約の更新時期はいつなのか、といった情報を正確に把握しておくことが重要です。
さらに、購入時にどのような条件が引き継がれるのかを明確にすることも欠かせません。こうした点を事前に確認し、理解しておくことで、オーナーチェンジ物件の購入が成功につながるでしょう。
オーナーチェンジ物件は売却しにくい?
オーナーチェンジ物件は収益物件として人気がある一方で、売却が難しいといわれることもあります。その理由として、いくつかの特有の要因が挙げられます。オーナーチェンジ物件が売却しにくいとされる具体的な理由について、解説していきます。
◇買主が投資家に限定される
オーナーチェンジ物件の売却において、最大のハードルは買主が投資家に限定される点です。一般的な居住用の不動産購入者は、自分自身が住むための物件を探しているため、既に入居者がいるオーナーチェンジ物件には興味を持たないことが多いです。
したがって、このタイプの物件は、投資を目的とする人々にしかアピールできないため、市場が限られます。投資家にとっても、購入後の管理や収益性にリスクを感じる場合があり、その結果、売却期間が長引くことがあるのです。
◇ローンを組めない
オーナーチェンジ物件は、通常の住宅ローンが利用できないことが多いです。これは、投資物件としての性質上、銀行が住宅ローンを提供しないためです。投資用ローンを利用する必要がありますが、金利が高かったり、融資条件が厳しかったりすることがあります。
そのため、資金調達の面で買主にとってはハードルが高く、購入をためらうケースが見られます。
◇内覧ができない
オーナーチェンジ物件は、内覧ができないことが多いです。現入居者が住んでいるため、内覧の機会が限られたり、許可されなかったりします。これにより、物件の状態を確認することが難しくなり、買主は購入に慎重になる傾向があります。
特に、物件の状況や修繕の必要性を事前に把握できないことがリスクと感じられ、売却が滞る要因となり得ます。
オーナーチェンジ物件を売却する際の注意点とは?
画像出典:フォトAC
オーナーチェンジ物件を売却する際には、通常の不動産売却とは異なる特別な注意が必要です。ここでは、オーナーチェンジ物件の売却における重要なポイントを解説し、売却をスムーズに進めるための対策について触れていきます。
◇レントロールや修繕履歴の準備
オーナーチェンジ物件の売却には、レントロールや修繕履歴を準備しておくことが重要です。レントロールとは、物件の賃貸状況を示すリストで、各部屋の賃料や入居者の情報、支払い状況などが記載されています。これにより、買主は物件の収益性を把握することができます。
また、過去に行った修繕の履歴も重要です。修繕履歴を示すことで、物件の管理がきちんと行われていることをアピールでき、買主の信頼を得やすくなります。これらの資料を適切に準備し、提示することが、スムーズな売却に繋がります。
◇買主の質問に誠実に答える
オーナーチェンジ物件の売却では、買主からの質問に対して誠実に答える姿勢が求められます。購入を検討する投資家は、収益物件としてのリスクやリターンを慎重に判断するため、さまざまな質問を投げかけてきます。
例えば、入居者の退去予定や家賃滞納の有無、今後の修繕予定などが挙げられます。これらの質問に対して、具体的かつ正確な情報を提供することで、買主の不安を取り除き、売却の成立に近づけることができます。
◇賃貸人の地位承継通知を行う
売却後、新しいオーナーが賃貸人としての地位を引き継ぐためには、賃貸人の地位承継通知を行う必要があります。この通知を行うことで、入居者に対して新しいオーナーが正式に賃貸人となることを知らせ、家賃の支払い先や今後の対応がスムーズに移行されます。
この手続きを怠ると、トラブルが発生する可能性があるため、売却時には忘れずに行うことが大切です。また、この通知を行うことで、売却後の新しいオーナーが安心して管理を引き継げるようになります。
オーナーチェンジ物件の売却を成功させるには?
オーナーチェンジ物件の売却は、特有の課題があるものの、適切な戦略をとることで成功に導くことができます。オーナーチェンジ物件の売却を成功させるための具体的な方法を解説します。
◇更新料を無料にする
オーナーチェンジ物件の売却を円滑に進めるための一つの手段として、更新料を無料にすることが挙げられます。更新料を無料にすることで、入居者の更新率が上がり、安定した賃貸経営が続けられる可能性が高くなります。
買主にとって、入居者が長く住み続ける物件は魅力的であり、安定した収益が見込めるため、売却がスムーズに進むことが期待できます。このように、更新料の見直しは売却成功への一歩となるでしょう。
◇不動産会社を変更する
売却がなかなか進まない場合、不動産会社を変更することも一つの方法です。現在の不動産会社が物件の特徴や市場動向に合った戦略を取れていない可能性もあります。新しい不動産会社に依頼することで、異なる視点からの売却戦略が提案されることがあり、結果として売却が進むケースも少なくありません。
特に、収益物件に強い不動産会社を選ぶことで、より的確な売却活動が期待できます。
◇家賃や敷金・礼金を見直す
家賃や敷金・礼金を見直すことも重要です。競争力のある家賃設定を行うことで、入居者の確保が容易になり、買主にとっても魅力的な物件となります。特に、近隣物件の家賃相場を参考にしながら、適切な価格設定を行うことがポイントです。
また、敷金や礼金についても見直しを行い、入居者にとって魅力的な条件を提供することで、物件の魅力を高め、売却成功に繋げることができます。このように、家賃や敷金・礼金の調整は、オーナーチェンジ物件の売却を成功させるための効果的な手段です。
オーナーチェンジ物件とは、既に入居者が住んでいる状態で売買され、新しいオーナーが賃貸契約を引き継ぐ不動産のことです。このため、購入後すぐに家賃収入が得られる点が投資家にとって魅力ですが、賃貸契約の内容や入居者の状況を事前に確認する必要があります。
一方で、オーナーチェンジ物件は買主が投資家に限定されるため市場が狭く、住宅ローンが利用できないことや内覧が難しい点も課題です。売却をスムーズに進めるためには、レントロールや修繕履歴の準備、買主への誠実な対応が重要です。
さらに、更新料の無料化や不動産会社の見直し、家賃や敷金・礼金の調整が有効な戦略となります。